うけ継ぐ、和美

漢字とは…古く中国で、人の姿や物の形、それに加えて、当時の生活習慣や価値観から生まれました。

神を招き、神意を伝える 聖なる響き

 「声」の旧字体は「聲(せい)」。「殸(けい)」は“棒を手に、打楽器「磬(けい)」を鼓つ形”を描いています。この楽器が石で作られていた為、後に「石」が添えられました。古代中国で祭祀儀礼の際、神を迎え、見送る目的で、儀式の始まりと終わりに使用された「磬」。この聖なる響きは、現在も伝統楽器として残っています。「耳」は“人の耳”を描写したもの。耳は目と共に、神霊に接するもっとも重要な器官とされました。
 このように、「声(聲)」は〈神への音〉、さらに〈神からの音〉を聴くことが原点にある文字でした。
 そして、時代と共に神以外が発する音に対して使われるようになりました。
 “声を発し、耳を傾ける”という字の背景を、日々の生活でも大切にしたいものです。

 今月の和色
【女郎花】(おみなえし)
秋の七草の一つで、緑みのある黄色の花「女郎花」をもとに命名。“思い草”とも言われ、多くの歌にも登場しています。

 想うこと
笑っているのか、泣いているのか、元気なのか、仕事中なのか。顔を合わせなくても、「声」を聞くと、相手のようすが想像できますよね。それだけ「声」は繊細で、感情の機微があらわれやすいもの。そこに、より一層の神聖さがある響きとして、古代人は捉えていたのでしょうか…。イヤホンを外して、身の回りの「声」を感じてみようと思います。

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